災害時にカーナビが使えるかどうかは、電波が届くかで決まります。通信が止まっても動くのは、あらかじめ端末に保存した「オフライン地図」だけです。
災害時のカーナビで本当に役に立つのは、次の2つだけです。
準備にかかる時間は約10分、費用は0円です。やり方はこの記事の中にすべて書きました。
目次
大きな災害が起きた直後は、回線が混み合い、基地局も止まります。ふだんどおりに地図アプリを開いても、画面が真っ白のまま動かない、ということが実際に起こります。
地図アプリの多くは、必要な地図をそのつど通信で取りに行く作りだからです。通信が切れた瞬間に、取りに行けるものが無くなります。

一方、GPS(人工衛星から現在地を割り出す仕組み)は、携帯電話の回線とはまったく別に動いています。だから地図データさえ端末の中にあれば、圏外でも現在地は表示され、案内も続きます。ここが分かれ目です。
あとづけ屋では毎日のようにお客様の車へナビを取り付けています。その現場で見るかぎり、この準備ができている車はほとんどありません。難しいからではなく、平時に思い出す機会がないからです。
Googleマップには、目的地を決めてから、その周辺の地図をまとめて保存するやり方があります。避難先や実家など、行き先が決まっている場所に向いています。

帰宅ルート全体を丸ごと入れたいときは、こちらです。
Googleマップのオフライン地図には有効期限があり、地図ごとに期日が書かれています。期限まで15日を切ると、Wi-Fiにつないだときに自動で更新が試みられます。それでも、季節の変わり目に一度は自分で開いて確かめてください。
| できること | できないこと |
|---|---|
| 現在地の表示 | 徒歩・自転車・公共交通機関の経路 |
| 保存した範囲内での、車のルート案内 | リアルタイムの交通情報 |
| 施設や住所の検索 | 渋滞を避けた代替ルートの表示 |
Yahoo!カーナビには、地図をダウンロードして保存する機能がありません。圏外になると音声案内が止まり、新しい目的地の設定もできなくなります。現在地の表示だけは続きます。
ヤフーのアプリで地図を保存したい場合は、別アプリの「Yahoo!マップ」の防災モードを使います。カーナビアプリ側ではない、というのがつまずきやすい点です。
Yahoo!マップは街歩きやお店探しまで含む総合的な地図アプリ、Yahoo!カーナビは車の運転に特化した専用のナビアプリです。名前が似ているため混同されやすいのですが、災害への備えという点では、できることが大きく違います。
| くらべる点 | Yahoo!マップ | Yahoo!カーナビ |
|---|---|---|
| 何に向いているか | 徒歩・電車・自転車・車と、幅広い移動に使えます。周辺のお店やクーポン探しなど生活の情報にも強く、行き先が決まっていない状態での検索にも向きます。 | 車の運転専用です。運転中の見やすさを追求しています。 |
| 画面の向き | 縦画面での利用が中心です。 | 横画面に対応。案内中の画面が大画面用に最適化され、地図とハイウェイモードを同時に表示できます。 |
| 運転を助ける機能 | カーナビ機能もありますが、簡易的です。 | インターチェンジやジャンクションの分岐イラスト、標識やオービス(速度取締機)の通知、駐車場の満空情報・料金情報、JARTIC交通情報による渋滞情報など、車に特化した案内が充実しています。 |
| 地図の保存 (オフライン) |
できます(防災モード) | できません |
| 災害時の役割 | 避難所とハザードマップを、通信なしで確認する。 | 通信があるときの運転支援。 |
Yahoo!カーナビは、原則としてオフラインでは使えません。地図をまとめて保存する機能がないため、走りながら通信で地図とルートを読み込み続ける作りだからです。
ただし、運転中にトンネルや山間部で一時的に圏外になった場合、すべてが止まるわけではありません。
圏外でもできること
圏外でできなくなること
災害に備えるなら、あとづけ屋はGoogleマップをおすすめします。指定したエリアの地図を丸ごと保存でき、通信が完全に止まっても目的地までの案内が続くからです。
Yahoo!カーナビは、通信があるときの運転支援としては優れています。「ふだんはYahoo!カーナビ、いざというときのためにGoogleマップも入れておく」という二本立てが、いちばん現実的な備えです。山間部をよく走る方にも、同じことが言えます。

この機能の値打ちは、地図といっしょにハザードマップ(災害の危険度を色分けした地図)が保存される点にあります。保存されるのは次の4種類です。
防災モードの地図の保存期間は、毎月10日から翌月9日までです。期間が終わったら 更新 ボタンから取り直してください。Android版には、毎月10日に自動で最新の地図を取り直す設定もあります。
また、オフラインのときはルート検索・ジャンルの表示・雨雲レーダーなど、通信が必要な機能は使えません。
通行実績マップとは、自動車メーカーが自社の通信機能付きの車から集めた走行データをもとに、「実際に車が通れた道」を地図に表示する仕組みです。大きな災害のときに、各社が無料で一般公開します。
行政が出す通行止めの情報は、正確ですが反映に時間差があります。通行実績は、直近に車が走り抜けた記録そのものなので、現場の状況に近いことがあります。
| 提供 | 名称 | 内容 |
|---|---|---|
| トヨタ | 通れた道マップ | 直近24時間の通行実績を表示。災害時は直近3時間の表示に切り替えられます。 |
| ホンダ | 通行実績情報マップ | インターナビ装着車の走行データに加え、日本道路交通情報センターとVICSセンターの通行止め情報も表示します。 |
両社は、2026年7月28日に熊本県で発生した最大震度7の地震(気象庁推定マグニチュード7.1)を受けて、翌7月29日にそれぞれの地図を公開しました。トヨタの通れた道マップは2026年8月23日時点でも「災害時情報提供中」の状態が続いており、8月13日の千葉県の大雨特別警報を受けて表示エリアが変更されています。
トヨタの公式ページには、次のように書かれています。「通行実績がある道路でも、その後の状況変化や交通規制等により通行できない場合があります。事前に警察や国土交通省、各国道事務所および道路会社等の道路管理者が提供する情報をご確認ください。」
土砂崩れや冠水は数分で変わります。実際に走るときは、必ず現地の規制と誘導に従ってください。救助活動・支援活動の妨げにならない配慮も、両社が明記しています。
上の2つのリンクを、スマートフォンとナビ本体のブラウザにブックマークしておいてください。災害が起きてから名前を思い出して検索するのでは、間に合いません。
| 場面 | 開くもの | 理由 |
|---|---|---|
| 発災直後、状況をつかむ | Googleマップ | 大規模災害時は、公式情報・緊急連絡先・ニュースが地図と検索にまとめて表示されます。多言語表示のため、外国籍の同乗者にも見せられます。 |
| 通信が完全に落ちている | Googleマップのオフライン地図 | GPSだけで現在地とルートが出ます。 |
| 車で動ける道を探す | 通れた道マップ/通行実績情報マップ | 行政の規制情報より、現場に近い実走データが見られます。 |
| 避難所と危険区域を確かめる | Yahoo!マップ 防災モード | 地図とハザードマップをまとめてオフラインで確認できます。 |
| 日本の細かい規制を見る | Yahoo!カーナビ | 分岐イラスト、オービスの通知、駐車場の満空情報、JARTIC交通情報による渋滞情報など、運転向けの機能が充実しています。ただし通信が必要です。 |
ここが車載ナビの現場でいちばん誤解されるところです。同じ「ナビ」でも、地図アプリを自由に入れられるかどうかで、災害時に取れる手段の数が変わります。

年式やグレードによって、取り付けられるナビは変わります。車検証をLINEでお送りいただければ、適合するかどうかを無料でご確認いただけます。費用はかかりません。
Android Autoは、スマートフォンの画面と機能を車の画面に映し出す仕組みです。動いているのは、あくまでスマホ本体です。スマホの電池が切れれば、車の画面も止まります。
ハイテックナビは、Google Playを積んだAndroid端末そのものを、ダッシュボードに組み込む方式です。ナビ本体にアプリを直接インストールでき、地図データもナビ本体に保存されます。
災害時の観点でいえば、この差は「スマホの充電が切れたら終わりかどうか」の差です。ハイテックナビなら、スマホを温存したまま、車の大きな画面で広い範囲の地図を確認できます。
正直にお伝えします。ナビをどれだけ整えても、災害時の避難は徒歩が原則です。過去の災害では、車での避難が渋滞を生み、緊急車両の通行を妨げた事例が繰り返し報告されています。
車載ナビが力を発揮するのは、避難そのものではなく、その前後です。
この場面での判断材料として、オフライン地図と通行実績はきわめて有効です。
A. できます。GPSは携帯電話の回線とは別の仕組みで動くため、地図データが端末の中にあれば、現在地の表示もルート案内も働きます。逆にいえば、地図を通信で取りに行く設定のままだと、電波が切れた瞬間に画面が真っ白になります。
A. 自宅から職場や学校までの往復ルートが丸ごと入る範囲が最低ラインです。余裕があれば、都県の単位で確保してください。ナビ本体のストレージに保存できるハイテックナビであれば、広い範囲の保存も現実的です。
A. できません。Yahoo!カーナビには地図を保存する機能がなく、圏外になると音声案内が止まり、新しい目的地の設定もできなくなります。現在地の表示だけは続きます。ヤフーのアプリで地図を保存したい場合は、別アプリの「Yahoo!マップ」の防災モードを使ってください。手順はこの記事の中に書いています。
A. Yahoo!マップは徒歩や電車も含めた総合的な地図アプリで、地図を保存できる防災モードがあります。Yahoo!カーナビは車の運転に特化した専用アプリで、分岐イラストやオービスの通知、駐車場の満空情報など運転向けの機能が充実していますが、地図を保存する機能はありません。災害への備えという点では、保存できるYahoo!マップとGoogleマップが役に立ちます。
A. Yahoo!カーナビの場合、音声案内は止まり、目的地の変更もルートの引き直しもできなくなります。現在地の矢印と、読み込みずみの地図は表示され続けます。Googleマップでオフライン地図を保存しておけば、圏外でもそのまま案内が続きます。山間部をよく走る方は、Googleマップを予備として入れておいてください。
A. 保存した地図が使えなくなり、電波がない場所で開けなくなります。Googleマップは期限まで15日を切るとWi-Fi接続時に自動更新を試みます。Yahoo!マップの防災モードは毎月10日から翌月9日までが保存期間で、期間が終わったら更新ボタンから取り直します。Android版には自動更新の設定もあります。
A. 大きな災害が起きたときに、各社が公開する形が基本です。平時から常に表示されているものではありません。いざというときに探せるよう、リンクをブックマークしておいてください。2026年8月23日時点では、7月28日の熊本県の地震を受けて公開された状態が続いています。
A. 安全の保証にはなりません。通行実績は「その時間帯に車が通れた」という記録です。土砂崩れや冠水は数分で状況が変わります。トヨタ・ホンダの両社とも、実際の走行にあたっては現地の規制と誘導に必ず従うよう明記しています。救助活動・支援活動の妨げにならない配慮も必要です。
A. できます。スマートフォン側でオフライン地図と防災モードを準備しておけば、対策そのものは成り立ちます。ただし画面が小さく、スマホの電池を使い続けるという制約は残ります。車の画面で完結させたい場合は、Android搭載ナビへの交換が選択肢になります。
A. アプリの更新やリアルタイムの交通情報の取得には通信が必要です。スマートフォンのテザリング、または車載用のデータSIMをお使いいただく形が一般的です。オフライン地図を保存しておけば、通信がない状態でも地図は開きます。
車検証をお送りいただければ、適合するかどうかをLINEで無料でご確認いただけます。費用は一切かかりません。
出典(すべて2026年8月23日に確認)