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引用元:CarMe(カーミー)
車が走行するためには、人間が食事をするのと同じようにガソリンや軽油といった「燃料」が必要になってきます。
燃料を入れることができなければ、車は空腹状態(エンプティ)になってしまってエンジンが動くための爆発力を発生させることがでませんよね。
そのため、日本各地にはガソリンスタンドがあちこちにあるのですが・・・現在の日本では、ガソリンスタンドがどんどん少なくなってきています。
20年前には6万箇所もあったガソリンスタンドが、今では半減して3万箇所程度となってしまいました。
地方に行ったりするとガソリンスタンドが少なくなっているのがより顕著にわかります。
ガソリンスタンドの敷地や設備だけが残って閉鎖されている状態を目にすることもあるでしょう。
今まではどこに行ってもガソリンスタンドがあるという認識でしたが、その認識は過去のものとなってしまい、生活をする上でも支障をきたすレベルにまでに追い込まれています。
では、なぜガソリンスタンドが少なくなっていっているのか、ということを考えなければなりません。
ガソリンスタンドの経営には、燃料を小売りする方法と車の関連用品を販売する方法、そして洗車などのメンテナンスによる方法などが挙げられます。
しかし、こういった方法を全て網羅できたとしても、ガソリンスタンドではマージン(儲け)が少なくなってしまっている状態なのです。
ガソリンスタンドで、ガソリンや軽油などの燃料を売るだけで儲けることができていたのは、既に遠い昔の話のように思われます。
現在のガソリン(レギュラー)の販売価格は、130円以上となっていたり、150円になっていたりと、変動の幅も大きくなっていますが、その販売価格のうち半分以上、おおよそ8割から9割程度が税金としての金額となっています。
軽油とガソリンで税率などは違いますが、それでもガソリンスタンド側の儲けは1リッター150円の内、5円~10円程度とも言われています。
毎日ガソリンを1000リットル販売したとしても、5000円~10000円程度の儲けしかありません。
これではガソリンスタンドの経営を続けていくことが困難なのもわかりますね。
だからこそ、ケミカル用品や洗車、整備や点検などの車に関わる業務や物品を販売したりすることで、燃料では補うことができない利益を確保しようとしていますが、車用品やメンテナンスなどは車用品店があったり、カーディーラーなどの点検整備工場がありますので、ガソリンスタンドとしては不利な状況となっていることもひとつの要因として挙げられます。
引用元:Engadget
近年の車は、燃費の向上やハイブリッド車、電気自動車などといった燃料を使わない車が続々と各メーカーから販売されるようになってきました。
世界的に見ても技術力の進歩は顕著であり、環境問題も考えられていることもあって、ガソリンエンジンやディーゼルエンジンの性能の向上が10年や20年前に比べると目覚しい進化を遂げています。
20年前の普通車であれば、燃費がリッター10kmだったりしたクラスのものが、現在新車販売されている車ではリッター20kmになったりと、エンジンの性能を落とすことなく効率よく燃焼させることによって、燃費の向上を得ています。
また、燃料の消費を抑えるために電気の力を併用したハイブリッド、まったく燃料を使用しない電気自動車など、20年前ではあまり考えられなかった車が続々と出てきており、こうした車の性能が向上したことが、ガソリンスタンドの減少へと加速させている要因になります。
技術が発達していくことは、今後の日本や世界から見ると大変喜ばしいことではあるのですが、現状では燃料を使用して走る車やバイクが多い中で、ガソリンスタンドが少なくなってしまうのは由々しき事態となるでしょう。
ガソリンスタンドの販売価格は、地域ごとに競合相手がいたりして価格競争が激化していっている状態です。
価格競争はガソリンスタンドだけに留まった話ではありませんが、販売価格が安ければ消費者目線からすると助かるものですから、どうしても安い価格の方へとお客さんが流れていってしまいます。
しかし、単価を下げて販売したとしても儲けが少なくなってしまいますし、単価が高ければお客さんが来なくて売れないということにも陥ってしまいます。
こうした価格競争が激化していった背景もあり、ガソリンスタンドが経営不振に陥ってしまい、お店を畳まざるを得ない状況になってしまっています。
引用元:ナビクル!
ガソリンスタンドを利用する人、そして利用したい人がいますが、こういった人達はガソリンスタンドに他にはない魅力を感じて利用を続けています。
セルフサービス式ガソリンスタンドが増えていってはいますが、それでも店員が店頭に立って車を誘導したり、商品説明や取扱の補助まで行ってくれるところも多くあります。
また、今でもフルサービス式ガソリンスタンドとして、給油から窓拭きなど昔から続けているサービスを継続している場所もあったりと、ガソリンスタンドが無くてはならないと思っている人も多くいらっしゃることでしょう。
では、ガソリンスタンドではどんな魅力があるのでしょうか?
セルフサービス式ガソリンスタンドが増えていったことによって、今まで行っていた車の点検などが行われていないとを感じるような気がします。
フルサービス式の時には、店員さんが給油中に車の点検をしておきましょうか?とブレーキランプなどの点検やオイル交換の距離などを見たりするようなガソリンスタンドも多くありました。
それが、セルフサービス式になったことによって、ただ単に給油をするための場所となってしまい、普段から車のメンテナンスをしている人以外(車にあまり詳しくない人・メンテナンスを自分ではしない人)にとっては、車の不具合を見つけることが困難になってきています。
10年前に比べると、街中を走っていてブレーキランプが切れた状態で走行している車を見かけることが多くなったように思います。
これは、普段自分で見ることのできないブレーキランプを、ディーラーなどの定期点検でしか確認することがなくなってしまい、気軽に見てもらえるフルサービスのガソリンスタンドを利用していないからとも思えます。
※もちろんセルフサービスでも店員さんが見てくれる場所もあります。
こうした店員さんとの触れ合いをすることで車のメンテナンスから、交流といったことができるのもガソリンスタンドの魅力の一つでしょう。
また空気圧点検なども、ガソリンスタンドであれば給油のついでに見てもらうことができたりと、立ち寄りやすいといった点も魅力ですね。
誰もが利用する場所だからこそ、気軽に立ち寄ってサービスを受けることができるガソリンスタンドは無くてはならない場所でしょう。
引用元:レソリューション
ガソリンスタンドでは、オイル交換やタイヤ交換などの簡単な作業から、認証工場として車検や点検業務を行っている場所もあったりします。
整備ができる設備から工具まで取り揃えてあったりして、広いスペースを確保しているガソリンスタンドですから、中にはDIYをすることができるスペースもあったりします。
こうしたスペースがあることによって、家では整備をすることができない人でもガソリンスタンドで車のメンテナンスをすることができたり、店員さんと一緒になってカスタムをしたりすることができたりする場合もあります。
DIYをすることができる場所が無くなっていってる、ということは店員さんと交流したり、気軽にサービスを受けることができなくなってしまう・・・ということは先ほどの通りですが、やはりガソリンスタンドというものが身近にあるからこそ、何の不自由もなく車に乗ることができています。今後更にガソリンスタンドが閉鎖されていったりするようになってくると、車やバイクなどの燃料を必要とする人にとっては生活しづらい環境になってしまうでしょう。
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ガソリンスタンドがなくなっていくことは、子供にとっては公園が無くなってしまうのと同じことです。
子供が気軽に遊ぶことができる公園があれば、そこで他の子供達と遊ぶことができたり、運動をしたりすることもできます。
これと同じようにガソリンスタンドがなくなると、気軽に燃料を入れることさえも出来なくなってしまいます。
ガソリンスタンドが少しずつ身の回りで閉鎖されていっているのであれば、近い将来にお住まいの地域のガソリンスタンドがなくなってしまう可能性があることを考えておかないといけないでしょう。
引用元:feynmanino.watson.jp
ガソリンスタンドが少なくなっているという話をしてきましたが、ガソリンスタンドの看板が変わってきていることはご存知でしょうか?
日本国内での主要ガソリンスタンド(メーカー)は以下のものがありました。
上記の他にもまだありますが、数年前までは街中でも見かけることが多かったメーカーではないでしょうか。
今では、吸収合併などが行われたり、日本から撤退するなどをして各社で動きがあります。
引用元:Dhem-Station(ケムステ)
石油の元売り会社として知られている「出光興産」と「昭和シェル」は、2019年の4月に経営統合することになり、新たに「出光興産」として発表されました。
出光興産に吸収される形で、昭和シェルという名前がなくなりましたが、両社ともにフェアな関係性となっています。
対等な精神ということを両社はしきりに強調しているのですが、実際には昭和シェルの株式を全て出光が取得し、完全に子会社化するような流れになりました。
子会社となった昭和シェルですが、ガソリンスタンドの看板に掲げられる名前にはしっかりとシェルの名前が残っており、「出光昭和シェル」となっています。
この経営統合には、やはりガソリンスタンドの減少と同じ理由があります。
人口の減少や車の性能の向上、そして原油の価格が下落してしまったことなどがあり、石油を売りたいにも関わらず、量が売れない、そして売ったとしても利益が少なくなってしまった。というわけです。
そうなってくると、今まで自社のシェアだけで行ってきた事業では立ち行かなくなってしまい、同業他社との合併や経営統合を行わなければ生き残ることができない状況に追い込まれてしまいます。
そこで、2015年に日本業界2位の出光との合併の動きがあり、2019年の4月に経営統合。今日までに至るというわけです。
引用元:日本経済新聞
エネオスを見かけることが多いのは、日本で1位のシェアを誇っているからです。
その他にも、2017年4月に東燃ゼネラル石油との合併が行われたりしたことによって、「Esso」「ゼネラル」「Mobile」の3つのブランドが「ENEOS」へと統一されることになりました。
これまで3つのブランドが展開してきたガソリンスタンドの看板が続々とENEOSへと変更されていっており、これまでよりも更にENEOSの看板を見ることが増えてくることになります。
今までENEOSとして看板を掲げていたガソリンスタンドの近くに、Essoなどの3つのブランドのガソリンスタンドがあったりした場合は、すぐ近くなのにも関わらずENEOSが並んでいる状況も生まれてきます。
日本の中では確固たる地位を築いているJXホールディングスですが、ブランドの統一を図ったことにより、利便性を高め、質の良いサービスが行えるようになったことで、これから先、多くの人の利用を促すことになるでしょう。
1つのブランドを利用し続ける人もいますので、そういったユーザーからしても全国的にどこに行ってもあるENEOSの店舗が更に増えることは嬉しい限りです。
石油会社を再編していくことによって、なんとかしてガソリンスタンドを守ろうとしており、少なくなっているガソリンスタンドが、地方で0になる。なんてことがないようにしなければなりませんね。
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