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あとづけ屋の【EVスワップ】を正式発表!

第一号車両をアメフェス2023(10.22)に出展するまでの歩み

あとづけ屋のEVスワップ、アメフェス2023出展報告

EVスワップとは、ガソリン車のエンジンとガソリンタンクなどを下ろして、EVモーターユニットやバッテリーとコンバートすることです。EVコンバートとも言われています。
世界中で、ガソリン車を廃止することが法制化されつつあるなかで、それならクラシックカーをEV車にできないかとあとづけ屋では考えました。
つまり、クラシックカーを「一生涯乗り続けるため」にEVスワップすることがこのプロジェクトの起源です。
今回は、あとづけ屋が、「愛車と未来へ」をテーマにスパーアメリカンフェスティバル2023へEVスワップ車を出展したご報告と、ここまでの歩みについてご紹介します。
ご興味がおありの方はぜひ参考にしてください。
EVスワップ第一号車シボレーパークウッドの出展報告

EVスワップ第一号車シボレーパークウッドの出展報告

2023年10月22日、EVスワップ第1号車となるシボレーパークウッド1959モデル(プロトタイプ)を出展いたしました。
まずは、以下の「アメ車ワールド様のアメフェス2023取材動画」をご覧ください。
あとづけ屋のEVスワップ-アメ車ワールドのアメフェス取材YouTube動画出典:アメ車ワールド公式YouTubeチャンネル(画像タップで視聴可)
お陰様で、クラシックモデルのオーナー様から大反響をいただき多くの問い合わせをいただきました。
今回、出展したEVスワップパークウッドのスペックは以下のとおりです。
<EVスワップ後のスペック>
●家庭用の200V電源でも6~7時間で満充電
●駆動用バッテリー容量:40kWh(200km前後の連続走行が可能)
●駆動用バッテリーユニットを追加すれば理論上は最大83kWhまで増幅可能
●モーターの冷却は水冷
●別途充電時バッテリー周りの冷却装置も装備し安全対策も万全
※これらスペックの内容は現状プロトタイプのため、一部変わることがあります。
パークウッド1959モデルは、エンジン搭載時は「1」ナンバーでしたが、EVスワップ後は「3」ナンバーに変更できました。
現在、EV車は「3」ナンバーであってもガソリン車の排気量1.0L未満相当の扱いになるなど、以下の特典があります。
●「環境性能割」が非課税:無税
●自動車重量税が免税される「エコカー減税」適用: 2026年4月30日まで延長
●自動車税種別割が減税される「グリーン化特例」適用: EV車のみ25,000円から概ね75%の軽減
上記のとおり、年間の自動車税・自動車重量税は大幅に減税され、自動車税は年間29,500円で済みます。1ナンバーで排気量が4.5L超6.0L以下のガソリンエンジン車の場合、年間88,000円ですから自動車税種別割の減税を含めると税金は3分の1以下で済みます。
その他、自宅充電の場合は、0から満充電に1回あたり約1,300円、EV充電スタンドなど外充電にはさまざまなプランがあり選択可能です。
たとえば、パークウッドの5.8LエンジンとEVスワップ後で10万km走行した場合、次のような比較になります。(レギュラーガソリン:165円/L、自宅電気代:31円/kWhのケース)
●ガソリンエンジン:3km/L走行とすると、約550,000円 ●EVスワップ後:5km/kWh走行とすると、約62,000円
(※今後さらに詳しく検証します)
これまでクラシックモデルを所有していると走行中にトラブルが発生することが多く、戦々恐々としていました。
一部パーツが腐食したり、摩耗していることがその原因です。今後、これらのパーツはすべて、新しいものにレストア(復元)していきます。
燃費の悪さも、電費がよくなることで大幅に改善できますので、クラシックモデルのオーナー様には遠出することが楽しみにしていただけそうです。
EVスワップ出展前のパークウッド

EVスワップ出展前のパークウッド

上の画像は、EVスワップと車検に通すため最低限の対応をしたパークウッドの状態です。外装や内装は一切レストア(復元)できていません。
たとえば、内装は下の画像のとおり、防音材やカーペットも張り付けていない状態です。
あとづけ屋のEVスワップ-シボレーパークウッドのレストア前の内装の状態 まるで、ジムカーナマシンのようにドアの内張りすらありません。
あとづけ屋のEVスワップの歩み-車検に備えてメーター類の対応 それでもアメフェスに出展するためには車検を通さなければ、ナンバーが取れないため、バッテリー残量メータその他必要な部品を取り付けて作動させました。
あとづけ屋のEVスワップの歩み-EVバッテリーユニット バッテリーユニット(黒いボックス)も、このとおりの状態でした。
アメ車ワールド様から出展前の取材

アメ車ワールド様から出展前の取材

あとづけ屋のEVスワップ車を出展-EVスワップ車がアメ車ワールドに出演出典:アメ車ワールドYouTubeチャンネル(画像タップで視聴可)
アメ車ワールド様に、今回のシボレーパークウッドのアメフェス出展前に取材いただきましたので、ご参照ください。アメ車ワールド様では、引き続き同車の取材をいただけるとのことです。
取材いただくごとに動画を更新して参りますので、ぜひお楽しみに!
旧アメ車のEVスワップ新規受付中!

旧アメ車のEVスワップ新規受付中!

今後、あとづけ屋では、あらゆるボディサイズのクラシックモデルを対象にEVスワップに対応いたします。自家用車は、ボディサイズによって、以下のとおりA~Fまで世界基準でセグメント分けされています。
●Aセグメント:3,750mm以下
●Bセグメント:3,750mm~4,200mm
●Cセグメント:4,200mm~4,600mm
●Dセグメント:4,600mm~4,800mm
●Eセグメント:4,800mm~5,000mm
●Fセグメント:5000mm以上
今回のシボレーパークウッド1959は、最大サイズのFセグメント(Fボディ)です。
今後、各セグメントの旧アメ車のクラシックモデルを中心に、EVスワップに対応致しますのぜひ、ご相談いただけましたら幸いです。
なお、アメ車以外では、ミニクーパーやビートル、BMW、ベンツなどA~Dセグメントのオーナー様もご相談ください。開発の進捗をみて時点で検討させていただきます。
また、EVスワップはハイテックナビのCar settingや各種コントローラーで車全体の制御が可能になります。例えば、アラウンドビューカメラを車に埋め込んだ場合、ハイテックナビでカスタム設定したり、コントロールすることも可能です。
将来的には自動運転技術の導入も見据えていますので、ぜひクラシックカーのEVスワップによる最新テクノロジーの導入をご検討ください。

あとづけ屋のEVスワップの歩み

これまでの、あとづけ屋がEVスワップに取り組んできた軌跡を一部ご紹介いたします。
あとづけ屋ではEVスワップの調査、研究を2020年コロナ感染症問題の最中にスタートしました。
当時はリモートワーク真っ盛りで、何かと自宅でPCと向き合って仕事をしていた方も少なくないと思います。
私の場合は、当時コロナの影響でハイテックナビの注文が一時ストップしていたため、この機会にと会社でEVに関して、連日のように調査していました。
と言いますのも、私はアメ車のクラシックカーファンです。あとづけ屋をご利用いただいているお客様にもアメ車にかかわらずクラシックカーを長年所有されている方が多数おられます。
この頃、欧州ではガソリン車を廃止する方針という発表があり、お隣の中国でも同様の動きで、日を追うごとにその動きが活発化していたのです。
あとづけ屋のお客様のご心配はガソリンエンジンを搭載している愛車にいつまで乗れるかということでした。そのため、愛車が廃車に追い込まれないためにどうすればよいかと奮起していました。
そこで、はじめたのがEVスワップのための調査・研究です。
EVスワップ第一号車シボレーパークウッドの出展報告

EVスワップのための調査・研究

当初、EV車の仕組みはおおよそ理解していたものの、輸入車でクラシックモデルのエンジンとコンバートするとなると、実際可能か不可能かもまったく見えない状況でした。
特に駆動部であるモーターはトルクレンジが広いという特性があるにもかかわらず変速機がないのです。このEVモーターをそのままコンバートした場合、エンジン車の駆動伝達部であるミッションやデファレンシャルギアからドライブシャフトが耐えられるのかという疑問を持ちました。
あとづけ屋がEVスワップ-EVのモーターパワー伝達の仕組み出典:ポルシェタイカン公式
また、ブレーキについても同様で高トルクモーターにブレーキが機能するのかが、問題です。しかもEV車はバッテリー重量が加算されますので、より制動性能を向上させる必要があるはずです。
ガソリン車のトランスミッションの変速比、減速比からエンジンとタイヤの回転数の比率を物理計算するのは簡単ですが、EVモーターの回転数を単純にあてはめても辻褄が合いません。EV車には変速機がないからです。
そんななかで、2020年6月に発売されたポルシェタイカンの構造は、大変参考になりました。
あとづけ屋 YouTubeサムネール画像-アメ車ワールドから取材を受けた出典:ポルシェタイカン公式
ポルシェタイカンはEVに2段変速機を採用したからです。タイカンはEVの変速比、減速比を明示していました。このことで、EVの総合減速比が求められるようになり、理解が深まったのです。
このように徐々にEV車の特性を理解しながら、手探りでEVスワップの研究を進めていきました。
具体的な方法が見えてきた昨年9月頃、飛び込んできたニュースがこれです。
あとづけ屋のEVスワップ-カリフォルニア州のガソリン車規制のニュース出典:テレ東BIZ
アメリカでEV化が加速していることは承知していましたが、自動車台数が全米最多のカリフォルニア州でこの規制案が決定されたことを知り、EVコンバートの研究から開発へと移行し取り組むこととしました。
あとづけ屋のEVスワップは国交省認可が下りるのか?

あとづけ屋のEVスワップは国交省認可が下りるのか?

EVスワップを行うには、プロジェクトとして活動する必要があります。ネットワークでプロジェクトを進行しました
近年、国産車を対象にEVコンバート車の実績が見られるようになりました。しかしアメ車で、しかもクラシックカーをEVスワップした事例は多くはみられません。
となると、クラシックカーでEVスワップする認可が下りるのかという課題が顕在化します。アメリカでは、古くから車を改造しカスタマイズするという文化が浸透しており、あらゆる車の部品メーカーが最大手のSEMA社に登録しています。また、EVプラットフォームメーカーも複数にあります。
毎年、SEMAショーがラスベガスで開催(今年は10/31~11/3)されますが、出展する部品メーカーは世界2,400社という規模です。SEMAでゼロから部品を揃えればオリジナルカーが1台作れるというほど充実しています。
当初、パークウッドにはアメリカのEVユニットを輸入しようとしていました。実際、SEMAショーに合わせて渡米の日程まで組んでいたのです。 しかし、アメリカから部品を輸入してEVスワップしたものを、国交省が認可してくれるのかが不安材料として浮上し、認可申請を急ぎました。
やはり結論は、「NO」。
主な理由として、アメリカのEVユニットはパワーがあり過ぎて、国交省のEVコンバート基準を遥かに超えてしまうことが判明したのです。
こうなると、国産メーカーのEVユニットを中心に検討するしかありません。
あとづけ屋のEVスワップ-EVモーター次世代 eAxleのバリエーション出典:AISIN公式
あとづけ屋のEVスワップ-インホイールモーター出典:TOYODENKI公式
しかし国産のEVモーターを採用することはデメリットではありませんでした。上の図のようにモータ、インバーター、減速機が三位一体となったe-Axleユニットやインホイールモーターキットなど素晴らしい技術で構成されたユニットがあります。
具体的には、以下のメリットがあることに改めて気づかされました。
●日本のモーター技術は世界有数で信頼感があり選択肢もある
●パナソニックをはじめ日本のEVバッテリーは世界有数
●日本のセンサー技術は世界屈指のシェアを誇るほど性能が高い
●品質保証やアフターメンテの点で安心
●円安基調が継続しそうなので輸入するより国内調達がコスト的に有利
このように圧倒的にメリットの方が多いのです。
このことから、第一号車のシボレーパークウッズは、EVユニットから車検に通すための必要部品まですべて国産で揃えてコンバートしました。その結果、国交省から指定工場の認可が取得できたのです。
EVスワップは車検をパスできるのか?

EVスワップは車検をパスできるのか?

結論からお伝えすると1回で通りましたが、EVスワップを事業化する認可は取得できても、車検(自動車検査登録制度)に通るかどうかは別の問題です。
EVスワップはエンジンを下ろしてEVユニットやバッテリーを搭載するため、特に以下の点に注意しました。
●各種メーターや内装の検査
●ドライブシャフトブーツの検査
●ステアリングラックブーツの検査
●ブレーキ検査
●サイドスリップ検査
メーター類は、例えばFuelの代わりにバッテリー残量表示メーターが必要です。ブレーキもエンジン搭載時に車検を受けたときよりも効きをよくするよう対応しました。
また、サイドスリップ検査ではEVバッテリーの配置によっては左右5mm以上のズレが発生し不合格になる可能性もありますので、配置には気を配ります。
今回は検査員の方が4名で対応されるなど、何百回と車検に対応した経験があるのに、こんなに緊張した車検はありません。
パークウッドは、5.8Lのため元は「1」ナンバーでしたが、EVスワップ後の車検では無事「3」ナンバーを取得できました。
EVスワップは構造変更車になるため、今後は2年ごとの車検になります。

あとづけ屋のEVスワップの加盟店様募集

あとづけ屋では、EVスワップの加盟店様を募集開始致します。非常にニッチな分野になりますが、クラシックカーファンのオーナー様には一定のニーズがあるのは間違いありません。
また、将来エンジン車やハイブリッド車の扱いがどうなるのかが不透明な状態でもありますので、備えになるかもしれません。
加えて、ハイテックナビの加盟店様も引き続き、募集しております。先述したとおり、EVスワップはハイテックナビでカスタム設定やコントロールすることが可能なため、相性が良い製品です。
この機会に、ぜひご検討ください。
EVスワップの加盟店様募集内容

EVスワップの加盟店様募集内容

アメフェス2023では、「愛車と未来へ」をテーマにEVスワップ車を出展し、予想以上の反響をいただきました。
今回のシボレーパークウッドは、Fセグメント(Fボディ)に属しますが、今後A~Eセグメントの開発も進めて参りたいと考えています。
たとえば、フォードやダッチ、キャデラック、その他クラシック系の名車が対象です。
ただ、弊社のマンパワーには限りがあります。幅広いニーズに対応するためには加盟店様と協業することが重要との考えです。各セグメントやモデルごとに得意な分野をお持ちの車関連の方は、ぜひご検討ください。
あとづけ屋のEVスワップ-ものづくり補助金申請書
上の図は、実際にものづくり補助金申請に使用した書類の表紙です。補助金や許認可申請については、ひととおり経験しましたので、申請上のコツなどアドバイスも可能です。
ご興味がおありの場合は、弊社公式LINEまたはお電話で若尾までお問い合わせ頂けましたら幸いです。
ハイテックナビの加盟店様募集

ハイテックナビの加盟店様募集

あとづけ屋ではハイテックナビの加盟店様を募集しています。近年、中華ナビなど安価なAndroidナビを購入したが使えない、ハイテックナビに交換したいとのご要望が急増中です。
しかし、弊社は東京のみで取り付け交換を行っているため、地方のお客様には対応できないケースが増えています。
ご興味がおありの際には、以下のリンクをご覧いただいたうえで、弊社若尾までお問い合わせください。
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