EVニュース(2023年6月1日~30日)SEMA特集 は、アメリカの車のアフターマーケット(あとづけ製品)最大規模を誇るSEMAについて、まとめました。今年ラスベガスで開催されるSEMAショーとSEMAのマイク・スパニョーラ社長のインタビュー動画を中心に解説しています。
また、SEMAが運営するSEMAショーアプリについてもご紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
目次
今回の注目ニュースの見出し
出典:SEMA公式サイト
SEMAとは、Specialty Equipment Market Association(米国自動車用品工業会)の略称で、あとづけ機器メーカーが集う世界最大の協会です。SEMAガレージでは、エンジンやサスペンションは勿論、リペアや塗装、ラッピングなどの技術、モバイルエレクトロニクスや板金修理、EVプラットフォームやEV用バッテリーまで、市場規模520億ドルにも上る米国自動車アフターマーケットにおけるすべてのセグメントをまとめています。
これら部品メーカーは、ホットロッドやオフロードレース、フォーミュラドリフトレース、NASCAR、ソルトレイクの世界最高速レースのチームに部品を供給している高い技術をもつ中小企業が殆どです。
会員は実に7,000社に及び、SEMAが関連する部品だけで新車が作れるほどの充実ぶりです。設立は1963年と半世紀以上の歴史があり、SEMAにより運営されているSEMAショー(ラスベガス)も1967年から開催されています。
アメ車やアメリカの輸入車を修理したり、チューニングしたり、カスタマイズした場合には、その部品には必ずSEMAが関わっているほどです。
出典:SEMAショー公式サイト
SEMAは毎年17万人以上を集めるSEMAショーの運営母体でもあります。2022年はコロナ感染症の影響で1967年以来はじめて自粛して中止されたものの、2021年までは世界から約2,400社がブースを構え新製品を出展する世界最大規模の自動車関連商品のショーです。
出典:SEMAショー公式サイト
コロナが沈静化するなか、今年は11月7日から10日までの4日間、2年ぶりにラスベガスで開催される予定です。
出典:SEMAショー公式サイト
今年のSEMAショーの注目は上の画像にはまだありませんが、EV関連の新たなプラットフォームとモーターと充電時間6分で寿命が25,000回以上の充電といわれる東芝が開発した次世代リチウムイオン電池(バッテリー)などです。6分で充電できるとなると、ガソリン車と変わりませんので、EV車が一気に普及する可能性もあります。
SEMAショーは、早くもホテルの予約が埋まりつつあるとの情報もありますので、ご興味のある方は、早めにSEMAショー公式サイトで登録してホテルを押さえることをおすすめします。SEMAショー公式サイト経由でホテルの予約も可能です。
出典:SEMAショー公式サイト
ラスベガスまではさすがに行けないという方は、上のQRコードをスキャンすると、今年からSEMAショーのアプリをインストールできるようになりました。QRコードが読み込めないという方は、「APP Store」または「Google Play」で、「SEMA Show」を検索すればインストール可能です。
SEMAショーでは、今年からフェスティバルが計画されているなど、様々なイベントが行われますのでアプリでも十分楽しめる可能性があります。
この動画のなかで、スパニョーラ社長は次のように述べています。
私は、6歳の頃から車が好きだった。近所のベトナム帰りの元軍人がコルベットを買ったのを覚えている。彼は、直ぐにホイールを付けかけ、カスタム塗装をしたり自分なりに色々なものを付け替えてカスタマイズしていた。私が9歳か10歳になった頃のある日、彼は私を車用品店に連れていき、車の研磨剤を手渡した。
彼は私に彼のコルベットを磨かしてくれて、その時私は彼のコルベットに恋をしたのを覚えている。
高校3年生のときに、自動車販売店でバイトしていると知り合いがSEMAの人を連れて私のところにやってきて、就職できると言ってきた。そのときは、車のアフターマーケットの会社で私は何をすれば?と思った。
結局、このときはSEMAには就職せずに、ダットサンのディーラーで床掃除と配送ドライバーとして働いた。同時にレーサーを目指していた。私が、ダットサン510や240Z、インフィニティを所有した理由で、今でもこれらの一部は大切に所有している。
その後は就職先で昇進し、私なりに自動車業界でキャリアを積んで5つの会社を経営した。レースは、結婚したときに辞めたようなものだ。
車を愛する人たちは、車のためなら何でもやるし、それが彼らのアイデンティティを表現することにもなっている。
私は2013年に経営した最後の会社の株を売却し何をするか迷っていた。そんなときにSEMAガレージのアイデアを具体化してくれないかとSEMAの前社長からオファーがあった。3年契約でやると答え、この仕事に取り組んだ。そんな中で、SEMAの前社長が亡くなって、私が引き継ぐことになった。
前社長が亡くなったのは大変残念だが、私が子供の頃にコルベットを愛したように、自動車業界を愛してきたことがSEMAガレージで具体化した。業界のために何かができることを本当に幸せに思っている。
ワシントンでのロビー活動は、人々が思っている以上に業界にとって重要だ。自動車業界を支えている人達が何らかの攻撃を受け、とてつもない変化を強いられている。
EPA(米国環境保護庁)は全体的な変革を行っている。確かにEVは我々の自動車文化の一部であり、素晴らしいものだ。しかし、アメリカ政府は、EVばかりに傾倒しているが、他にも対応の仕方はある。
SEMAは、水素、合成燃料、E85、プロパン、再生可能燃料、その他空気を綺麗にできる、あらゆるものを研究している。
EPAは明らかにSEMA及びSEMAの会員をターゲットにしており、SEMAガレージはターゲットにされている会員を支援するために立ち上げた。我々の会員はEPAの環境ガイドラインをクリアしているので、燃料や大気に影響を与える製品を正しく開発し合法的に販売するには、面倒なEPAへの書類の申請と承認が必要だ。
EPAの規定に違反すれば。37,000ドルもの罰金が課せられる。そのためSEMAガレージでは、EPAへの申請手続きを簡素化できるように支援した。また、SEMAには、製品がEPAの規制範囲内に収まっているかをテストするラボがカリフォルニアとデトロイトにある。
これらの対応は、業界を救うためのものだ。しかし、会員が行うラボでのテスト作業は大変なものだ。そのうえ、炭素には課税されるので、ガソリン車の部品を売るためにはこれらの大変な手間と手続きが必要になっている。
EPAは、2032年までに販売する新車のうち65%をEVS車にしたいと考えている。しかし、トヨタとホンダが水素を推進しているように、脱炭素に対応する方法は沢山ある。EVSだけに傾倒すべきではない。
その指摘は素晴らしい。しかし、国会議員の皆さんの頭の中をみることは難しいが、バッテリーを作るときの二酸化炭素排出量やリチュームなどの鉱物の採掘が有限であることは分かっている筈。
SEMAとしても、法規制に準拠しながらアフターマーケットのニーズを満たすために、様々な科学的な実験に投資しており、新技術の開発に取り組んでいる。さもなければ、ユーザーの個性は失われ、アイデンティティは崩壊する。
SEMAでは、アフターマーケットのニーズにおいて、あらゆる法規制に対応していることを証明するため、SEMA認定というプログラムに取り組んでいる。これは、明らかに改造車であっても、法規制に準拠していることが客観的に認識できるものになり、例えば規制が厳しいドイツでも通用するものになるだろう。
世界の自動車アフターマーケットの中心に位置するSEMAとSEMAショー、スパニョーラ社長のインタビュー動画を中心に解説しました。実は弊社の若尾社長も今年はSEMAショーに行く予定です。現地で見かけられたらお声がけください。
なお、スパニョーラ社長が苦悩されているとおり、EV化の波は益々大きくなっています。科学的で決定的な証拠は示されてないものの、もし本当に異常気象の原因が二酸化炭素の排出量による平均気温の上昇であれば、その対応は急務です。
バイデン政権やEU諸国では、その前提で関連法案を通しており、予算もかけています。おおよそ、後戻りはできない状況です。このことで個人レベルでも、時代の流れをよんで対応しなければならない時期に入りました。
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