海外を中心に「テスラスタイル」とよばれる大画面タイプのカーナビが話題を集めています。その名の通りテスラ社の自動車に搭載されているようなタブレットスタイルの細長い画面が特徴のカーナビで、Android OSを搭載しスマートフォンやタブレットに近い使い方ができるのが特徴。タブレットをそのままセンターパネルに設置したかのようなインパクトもあります。
今回の記事では、テスラスタイルナビの取り付け例としてCadillac ATSへの設置の模様を紹介します。他の輸入車はもちろん、国産車へカーナビを設置する際にも応用できる作業内容です。これからAndroidナビの購入を検討しているものの、取り付けが不安で購入に踏み切れないという方は、ぜひ最後までお読みいただき参考にしてみてください。
今回紹介するテスラスタイルナビの取り付けに必要な工具や材料をいくつか紹介します。
Cadillac ATSは比較的構造が簡単で取り外す内装パーツは少ない傾向がありますが、それでも慎重に作業を進めなければなりません。内装を傷つけてしまうと修復にコストもかかってしまうため、専用の内張り剥がしという工具を揃えておきましょう。内張り剥がしはネット通販や自動車用品店などで1,000円前後で購入できます。内張り剥がしは一般的なマイナスドライバーなどとは異なり、金属ではなくプラスチック素材のものが多く内装を傷つけないような形状の工具です。
また、今回取り付けるテスラスタイルナビにはバックカメラもセットになっており、トランクルームまでケーブルを引き込む必要があります。そのため、ケーブルが途中で断線しないよう保護するためのカバーやチューブなどがあると良いです。
特にカーナビの交換作業が初めての方は、以下のポイントに注意しましょう。
バッテリー端子を外す際には、必ず「マイナス端子」を外すということを覚えておきましょう。バッテリー端子を外さないままカーナビを取り外してしまうと、ヒューズが飛んで交換が必要になる可能性もあります。
内装パーツやボルトを無くさないためには、トレイを用意してパーツをまとめておくなどの工夫も必要です。
まずはCadillac ATSに現在取り付けられている純正カーナビを取り外します。純正ナビを取り外すためには、シフトノブ部分の両サイド部分にある内張りを外す必要があります。これはCadillac ATSに限ったことではありませんが、自動車の内張りを剥がす際には無理に力を入れることは厳禁で、慎重かつ丁寧に力を入れて外す必要があります。センターコンソールを取り外す際には、内張り剥がしを使いながら少しずつ根気よく外していきましょう。センターコンソールの内張りは4箇所に爪のような突起で固定されているため、取り外す際には無理に力を入れて爪を折らないように注意しましょう。
シフトノブ脇の内張りを剥がし終わったら、次はナビ本体が固定されているセンターパネルの取り外しにかかります。センターパネルは写真の位置にあるボルトが2箇所と、ダッシュボードの上部分にある2箇所の計4箇所にボルトで固定されています。ボルトを外す際も、無理に力を入れてネジ山を潰してしまわないように、ゆっくりと慎重に作業を進めましょう。
ちなみに、Cadillac ATSのセンターパネルは中央部分にあるエアコンやオーディオ類操作ボタンの部分が開閉式になっています。普段は閉じていると思いますが、センターパネルを外す際にはパネルを開くことで手をかける部分ができるため、作業がしやすくなるはずです。
センターコンソールの内張りとカーナビ本体部分のボルトなどが取れたら、いよいよ純正カーナビの取り外しにかかります。基本的には手前部分に引っ張るとカーナビ本体が出てくるのですが、裏には配線が繋がっているため、ここでも慎重に作業を進める必要があります。
あまりにも強い力で引っ張ってしまうと、最悪の場合ケーブルが断線したりコネクタが破損してしまう可能性もあるので、特に年数が経っている車の場合は、プラスチックパーツなどが劣化し脆くなっている可能性も・・・。より慎重に作業を進めていきましょう!
センターパネルから外れたカーナビの裏を覗いてみると、電源ケーブルや各種ハーネス端子が接続されています。一旦これらも取り外す必要があるので、慎重に引き抜きます。
今回のテスラスタイルナビはバックカメラもセットになっているため、トランクルームを経由してバックカメラ用の配線を引きます。カメラ用配線は黄色い端子のケーブルを使用し、車両のサイドステップ部分からリアシート、トランクルームへケーブルを引き込み、トランクのドアを伝って最後部に引き込むイメージです。
トランクルームのドアは開閉時にケーブルを巻き込んで断線してしまうおそれもあるため、ケーブルをそのまま裸の状態で配線するのではなく、保護用のチューブやカバー類を装着するようにしましょう。テスラスタイルナビの付属品などでは付いてこないため、別途ホームセンターや100円ショップなどで購入するのがおすすめです。
ちなみに、バックカメラを取り付ける際にはトランクルームの扉の内張りを剥がし、その中にケーブル類を格納して目立たないようにしましょう。カメラは固定する場所に合わせて大きさがカットされており、ちょうどナンバーのすぐ真上のあたりに固定できるようになっています。
純正カーナビの取り外しとバックカメラの取り付け、ケーブルの引き回しが完了したら、いよいよテスラスタイルナビをセンターパネルに設置します。あらかじめ接続用のケーブル類はハーネスとしてまとめられているため、これを本体に接続します。車両側のハーネス形状とテスラスタイルナビに付属しているハーネスの形状を見て形が合うもの同士を接続し、テスラスタイルナビに接続するだけのため、作業としてはそれほど難しくありません。
一点だけ注意しておきたいのは、車両側から伸びるケーブル類を無理に引っ張ってしまわないようにしましょう。純正ナビの取り外し時と同様に、あまりにも強い力で引っ張ってしまうとケーブルが断線するリスクがあります。
ケーブルの接続が完了したら、テスラスタイルナビをセンターパネルに格納するようにしてボルト止めを行います。ちなみに、ボルト止めを行う前にテスラスタイルナビが正常に動作するか一旦エンジンをかけて確認してみることをおすすめします。万が一配線に不具合があったり、接触不良やナビ本体の初期不良などによって、正常に動作しないことも稀にあります。全ての作業が完了した後で不具合が発覚してしまうと、また始めから内張りを剥がしての作業になってしまいます。
センターパネルにテスラスタイルナビの設置が完了したら、はじめに外した内張りを元に戻して作業は完了となります。内張りを戻す際にはある程度作業のコツがつかめているはずですが、最後まで作業は慎重に進めましょう。
ちなみにテスラスタイルナビはタブレットやパソコンのような端末のため、一般的なカーナビよりも起動に時間を要します。ディスプレイがついて数分待っても起動画面が出てこない場合は、初期不良や故障の可能性もあるためメーカーへ確認してみましょう。
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